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【ウクライナ情勢】反転攻勢のなか、「勝利まで大統領選挙を実施しない」ゼレンスキー大統領

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目次

ウクライナ・ゼレンスキー大統領、勝利するまで大統領選挙を実施しない方針

ロシアのウクライナ侵攻に対するウクライナの反転攻勢のなか、ウクライナのゼレンスキー大統領は、BBC放送とのインタビューの中で、来年のウクライナ大統領選挙は「勝利したなら実施する」と発言した。
ゼレンスキー大統領は勝利するまでのウクライナで大統領選挙実施を否定し、政権交代なしの実質的な専制政治への移行を示唆した形。

ツイッター Zelensky rules out holding presidential elections in Ukraine until Ukraine wins the conflict.

(Video. Zelenskyy cancels elections. June 25, 2023)
Reporter : Will there be elections in Ukraine next year?(来年、ウクライナで選挙はありますか?)
Zelenskyy : This is a global question. If we win, there will be. So, there will be no wartime (no martial law),   no war. Elections should be held in peacetime, when there is no war, according to the law. And that’s why this is so.(これは世界的な問題だ。私たちが勝てば、ある。つまり戦時下でも、(私註:行政権・司法権の一部ないし全部を軍隊の指揮下に移行する)戦争中でも行われない。選挙は戦争がない平時に法律に従って行われるべきだ、とそういうわけなのだ。)

ウクライナの大統領は任期5年、前回大統領選挙は2019年、次回は2024年の予定。

6月27日火曜日グレン・グリーンウォルド氏番組「ワグネル、ゼレンスキー、ネオナチ民兵」

ここでは、グリーンウォルド氏の番組をざっくり翻訳します(翻訳掲載について連絡済)。根拠となる動画や文章が示されているのが貴重です。

この記事の元の動画: 2023年6月27日(火)ジャーナリストのグレン・グリーンウォルドさんのRumble番組「システム・アップデート」「Media Gets Failed “Wagner Coup” in Russia Completely Wrong, Zelensky Suspends Elections, & Journalist Lev Golinkin Exposes Ukraine’s Neo-Nazi Militias」
メディアはロシアで失敗した “ワグネル・クーデター” を完全に誤解し、ゼレンスキーは選挙を停止、そしてジャーナリストの(ウクライナ系アメリカ人)レフ・ゴリンキンは、ウクライナのネオナチ民兵を暴露

!! グレン・グリーンウォルド氏:スノーデン氏に関する報道でピューリッツァー賞を受賞したジャーナリスト(His work contributed to The Guardian’s 2014 Pulitzer Prize win;Pulitzer Prize-winning journalist)。日本語版は『暴露:スノーデンが私に託したファイル』(新潮社、2014年)。

番組冒頭、本日の内容紹介

グレン・グリーンウォルド氏: 

私たちはジョー・バイデンをはじめとするほとんどの西側政府高官から、ウクライナにおける戦争は、米国が過去20年にわたって戦ってきたすべての戦争について述べたように、一方は民主主義、他方は独裁政治の正義の戦いであると常に聞かされている。

ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領は、長い間、古典的な権威主義、さらには専制主義に従事してきた。その中には、ロシアがウクライナに侵攻する1年前に政府と反対の意見をもつテレビ局に閉鎖を命じたり、野党を追放したり、ロシア政府へ忠誠つくしていることを疑ってウクライナ最古の教会であるロシア正教会に閉鎖を命じたりしたことも含まれている。

私註:

ゼレンスキー大統領は何度もテレビ局の閉鎖や野党の追放を命じた。

2021年2月5日アルジャジーラの記事「In risky move, Ukraine’s president bans pro-Russian media」によると、2021年2月、彼は「生活のための野党プラットフォーム(OPFL)」と関係のある3つのテレビ局を閉鎖した。

2022年7月8日NPRの記事「Zelenskyy has consolidated Ukraine’s TV outlets and dissolved rival political parties」によると、彼は、2022年7月、ウクライナのすべてのテレビ局を1つに統合した。2022年3月、対立する政策を掲げるロシアと関係のある11の政党を活動停止にした。

しかし、ゼレンスキーの暴君ぶりは、新たな高み、というよりは低みに達した。彼は、ウクライナの戦争が終わるまで、ウクライナの大統領を選ぶ選挙を含むすべての選挙を中止すると発表した。ウクライナを支援するすべての西側諸国は、この戦争は何年も続きそうだと言っている。つまり、ゼレンスキーは、おそらく民主的な説明責任を果たすことなく、権力の座に留まることになる。

民主主義を擁護していると世界に主張している人物の行動としては、非常に奇妙だ。彼は要するに、ウクライナの民主主義を守るためにはウクライナの民主主義を破壊しなければならないと主張しているのだ。

バイデン政権は本日、代理戦争を煽るためにウクライナに送る新たな大規模援助策を発表した。米国はウクライナを代理人として、ロシアと戦っている。

そして金曜日の夜、我々が放送を始める少し前に、(オリガルヒの一人である)大金持ちのエフゲニー・プリゴジンが率いるロシアの傭兵大隊:ワグネル・グループのリーダーがモスクワに向かって行進を始めた。
プリゴジンは演説の中で、かねてから戦争遂行における怠慢やその他の罪を非難していた国防相に対して、暴言を吐いた。

戦争の霧の中で、概略しか分からない人物によって、いかようにも考え得るあらゆる種類の動機によって実行されたこの非常に複雑な出来事から、数時間のうちに、
多くの西側のコメンテーターが、何が起こっているのか、何が起こるのかについて、断定的な発表を始めた。

その断定的な発表はすべて偶然にも、ウクライナ戦争に関する彼らの長年の見解と一致していた。

何百万人とは言わないまでも何十万人もの人々が目にして賛同したソーシャルメディアの投稿の中には、プーチンとその側近たちはすでにプライベートジェットでモスクワを脱出し、クレムリンに対するクーデターが間近に迫っていることにパニックになっているというものさえあった。

いつものように、わずか18時間後にすべてが崩壊すると、彼らは何事もなかったかのように動き出した。
しかし、本当の偽情報がどのように機能し、誰がその流布に責任を負っているのか、私たちは検証する。

最後に、ウクライナ戦争について最も詳しいジャーナリストの一人、ウクライナ系アメリカ人ジャーナリストのレフ・ゴリンキンが登場する。彼は長年にわたってウクライナ戦争を取材しており、しばしば『ネイション』誌、ニューヨーク・タイムズ紙、CNNなどの紙面で単独で発言している。今夜はウクライナの最新動向について話を聞く。

特に、彼が長年抱いてきた懸念、すなわち、

マガハット(MAGAとは Make America Great Again、トランプ陣営の帽子)をかぶるような種類の存在ではなく、

アドルフ・ヒトラーの定義的見解と明確に一致するイデオロギーをもつ類型の本物のナチスの非常に重要な存在が、アメリカを筆頭とする西側諸国政府がナチスの大隊に資金を提供し武装させようとしているからという理由で、西側諸国の報道機関によって常にごまかされてきたことについて、彼に話を聞こうと思う。

この戦争と一般的な反ユダヤ主義非難の皮肉な利用について、そしてその他多くのことについて、彼に話を聞こう。彼はいつも傾聴に値する人物であり、私たちは彼の番組初登場に心から興奮している。

メディアはロシアで失敗した “ワグネル・クーデター” を完全に誤解

アメリカは終わりのない戦争の国だ。それは否定できない。私たちが生きてきた間、アメリカは絶え間なく戦争を続けてきた。唯一の例外は、クリントン政権とブッシュ第一次政権のもとでのこの10年間で、ソ連崩壊と冷戦の終結によって、私たちは平和の配当の恩恵をすべて受けられると言われていた。しかし、そうはならなかった。国防予算はクリントン大統領、そして第一次ブッシュ大統領の下で増え続けた。どちらの大統領も、サダム・フセインとの戦争、ユーゴスラビアへの介入、その他もろもろの小さな戦争など、戦争に踏み切るあらゆる理由を見つけ、国防予算の増加を正当化し続けた。

そしてすぐに、より謙虚な外交政策、つまり戦争を減らしていく外交政策の導入を掲げて立候補した2代目ジョージ・ブッシュが選出されると就任から9ヵ月後に9.11テロが起き、 アメリカはその後20年間戦争を続け、ようやくアフガニスタンから撤退して戦争が終わると、皆さんもご記憶の通り、ジョー・バイデンは退去の際、念のために10人の罪のない家族をドローンで焼却した。

その半年も経たないうちに、アメリカはまったく新しい戦争を始めた。終わりのない戦争で、戦費がとてつもなくかさみ、軍需産業を潤す戦争、それがウクライナ戦争だ。

権限と予算を拡大するのがCIAであること、アメリカの納税者を犠牲にして兵器産業が大きな利益を得ること、つまりアメリカの納税者から兵器産業への巨額の富の移転であること以上に、これらの戦争すべてを結びつけていることのひとつ、つまり唯一のことのひとつは、冷戦時代からベトナム戦争などまでさかのぼるすべての戦争に共通する数少ない点のひとつは、正当化する理由が常に同じであることだ。

アメリカ政府が、企業メディアとその同盟者である企業メディアを通じて提供する宣伝の枠組みは、決して変わらない。

常に主張されるのは、これらの戦争は国家の安全保障のために必要であるだけでなく、道徳的に正当化されるということだ。道徳的に正当化される理由は、米国が民主主義を信じ、人々を守り、専制主義から解放し、私たち米国人が享受しているように、彼らが民主的な生活の成果を享受できるようにしたいからだ。

なぜアメリカ政府の役割は、世界中を回って他国の政府を変え、彼らが望むか望まないかにかかわらず、民主主義や政府の形態をもたらすことなのだろうか?

それは、ベトナムのジャングルで命を落とした6万人近いアメリカ兵と、何百万人ものベトナム民間人の命を終わらせた、10年以上にわたる恐ろしいベトナム戦争に提示された正当化の理由だった。私たちは、ベトナムの人々に民主主義をもたらし、専制政治に従わせないようにするためだと言われたが、同盟国であった南ベトナム政府は民主主義とは程遠いものだった。歴史家はほぼ全員、ベトナムの人々の大多数、少なくとも大多数は、我々が押し付けようとしていた南ベトナムの独裁政権よりも、ホーチミンの統治を望み、好んでいたという事実を認めるだろう。

だから、国民の命を犠牲にし、何十億ドルも費やして、はるばる地球の反対側にあるベトナムの政府を変え、アジアの小国が共産主義やどんな形の政府であれ、彼らが試したいと決めた実験を望んでいることを脅威に感じることが、アメリカ政府の義務だと信じていたとしても、それがアメリカ政府の役割だと信じていたとしても、同盟国(私たちが一緒に戦い、守っていた相手)は民主主義的なものではなかったのだから、その基本的な主張は決して意味をなさない。

そしてそれはもちろん、イラクでも同じ主張が使われた。私たちは、イラクの人々をサダム・フセインの悪から解放しようとしていた。民主党がリビアを占領し、ジェファソニアン共和国のように支配するという考えは馬鹿げていたが。しかし、それも正当化された理由だった。

同じ正当化が、CIAによるシリアでの極秘政権交代戦争にもなされた。私たちはアルカイダとISISの側で戦い、シリアの政権を変えようとしていた。カダフィと同様、アサドも長い間アメリカの同盟国であったにもかかわらずだ。

アフガニスタンでもそうだった。2001年、ジョージ・ブッシュの妻であるローラ・ブッシュが『ロサンゼルス・タイムズ』紙に寄稿した記事を覚えているだろう。これはいつもの主張だ。ネオコンはイランに行き、イランの政府を変えようとしたが、私たちも同じことを言われた。

そして今、ウクライナでの戦争についてジョー・バイデンが常に口にするのは、この議論である。国民は、今自分たちが加担し、自分たちの政府がその煽動に手を貸している戦争には、何か正義の大義があり、特に世界を解放し、あらゆる場所に民主主義をもたらそうとしているのだと知りたいし、そう思いたいのだ。

しかし同時に、サウジアラビアやエジプトなど、世界で最も抑圧的で専制的な政権の多くが、アメリカ政府の最も親密な同盟国である。どういうわけか。ジョー・バイデン、そしてその前のトランプやオバマ、さらにその前のジョージ・ブッシュは、電話を取り、サウジアラビアやエジプトの最も専制的な政権に巨額の資金や軍隊や武器を送り、次の瞬間にはカメラに向かって、我々は民主主義のためにこのような戦争を戦っているのだと言うことができる。

トランプはそのような素振りを見せなかった唯一の大統領であり、それが彼があれほど嫌われた理由のひとつだ。彼はプロパガンダ的な枠組みを拒否し、「なぜアメリカ政府の役割は世界中の他の政府をコントロールすることでなければならないのか?我々は自国民の生活に集中し、自国の政府が誰であるかは、その国の政府と国民に任せるべきだ。しかし、他のどの大統領も、われわれが戦争に行くのは世界中の人々を解放するためだというプロパガンダ的な枠組みを必要とされ、熱心に肯定した。とんでもないことだが、それこそが新たな戦争を売り込むことにつながり、ジョー・バイデンがウクライナでの終わりのない代理戦争のようなものを正当化するために、当初から主張してきたことなのだ。

ゼレンスキーは選挙を停止

2022年3月1日、ロシアが初めてウクライナに侵攻し、ジョー・バイデンがウクライナ側に立って武器を送ろうとしたわずか1週間ほど後、彼はこの見出しにあるように、「民主主義と独裁主義の戦い」という言葉を投げかけた。彼は新しい戦争に興奮し、民主主義のために戦うのだからと、この新しい戦争を正当化することができた。

引用:
「民主主義と独裁主義の戦い」がバイデンの最初の一般教書演説をリードする
大統領は、プーチンはウクライナ侵攻の代償をさらに支払うことになるだろうと語ったが、他の外交政策の優先事項については言及しなかった。(ディフェンス・ワン、2022年3月1日)

彼が一般教書演説で言及した外交政策の優先事項はこれだけであり、それは独裁政治との戦いで民主主義の側に立つためであり、正当化されるものだった。

申し上げたようにウラジーミル・ゼレンスキーは民主主義の象徴ではない。これからお見せするように、彼にはロシア侵攻以前に行われたものも含め、専制的な行動の長い歴史がある。しかしその専制的な姿勢は、今週、この戦争が最終的に終結するまで2025年、2029年、2032年のいずれであろうと、ウクライナで我々が守っているこの美しく素敵な民主主義国家では選挙は行わないと発表したことで、新たな高みに到達した。彼の言葉を聞いてほしい。

引用:
(ビデオゼレンスキー、選挙を中止 2023年6月25日
記者    :来年、ウクライナで選挙はありますか?
ゼレンスキー:これは世界的な問題だ。私たちが勝てば、ある。つまり(戒厳令を敷かない)戦時下でも、(私註:行政権・司法権の一部ないし全部を軍隊の指揮下に移行する)戦争中でも行われない。選挙は戦争がない平時に法律に従って行われるべきだ、とそういうわけなのだ。(BBC、2023年6月25日)

つまり、字幕を見ずにポッドキャスト形式で聞いている人のために説明すると、彼は本質的にウクライナは戒厳令下にあると言っているのだ。選挙は平時にのみ行われるものであり、ウクライナは戦争状態にあるため選挙はなく、戦争が終結するまで選挙はない。

もちろん、選挙を中止する、つまりウクライナの民主主義を守る手段としてウクライナの民主主義を殺すというゼレンスキーの決定を擁護する人々も多い。

しかしウクライナ戦争よりも多くの人々を殺し、米国を大きく不安定化させた壊滅的な内戦を戦った米国の歴史を見てほしい。米国が真珠湾で日本軍に攻撃された第二次世界大戦も含めて、両世界大戦を見てみよう。我々は選挙を中止しなかった。

我々は、戒厳令が敷かれているという理由で、大統領が無期限の政権維持を宣言することはなかった。9.11の後、国が攻撃され、主要な権力機関が標的となり、3,000人のアメリカ人が犠牲になったが、その翌年、ちょうど1年後に中間選挙が行われた。

ある人物を除いては、選挙を中止すべきだなどとは誰も言わなかった。主要な政治家で、戦時下では選挙を中止すべきだと提案した例は、私が記憶している限りでは彼だけだ。彼がそれを言うやいなや、政治的なスペクトルを超えて、彼自身の政党を含め、誰もがそれを非難した。9.11同時多発テロが起きたとき有名なニューヨーク市長だったルディ・ジュリアーニだ。

2週間余後に、このCNNの見出しである。「ジュリアーニ、市長職の退任を遅らせたい」。彼は既に任期を終えていた。選挙が予定されていたが、米国は現在戦争状態にあるから、として彼はその選挙を遅らせたかった。

引用:
ルディ・ジュリアーニ・ニューヨーク市長の後任市長就任を遅らせる計画は、任期満了後も市長を続けるべきかどうかをめぐる議論の両陣営を喜ばせるためのものだったと、彼は金曜日に語った。
ジュリアーニ氏は、3期連続の市長就任を禁じている任期制限法の改正を支持するわけではないが、選挙投票日から就任式までの1ヵ月半は、この問題山積の時期に新市長が市長の座にすべり込むには十分な時間ではないと述べた。
「私が市長になったとき移行期間が1ヵ月半というのは短すぎると思った。当時は財政危機に直面していたが、今のような危機ではなかった。」と彼はラジオ番組 “Imus in the Morning”(私註:1968-2018年に放送された全米で人気のあった長寿ラジオ・トーク番組でテレビに同時放送もされた)に語った。
「最も良い状況下でも、行政を本当にスタートさせるのに3〜4ヶ月かかる」と彼は語った。(CNN、2001年9月28日)

彼は、法律に何の根拠もない新しいルールを考案し、選挙就任までの期間が短すぎること、そして特に、世界貿易センタービルがまだ瓦礫の中にあり、アメリカ人が9.11のテロで大きなトラウマを抱えていた戦時中であるにもかかわらず、その期間があまりにも短すぎることを指摘した。

私はこの時期ニューヨークに住んでいた。特にニューヨークの住民がどれほど深い影響を受けたかを覚えている。瓦礫の下敷きになった死体の匂いは、少なくとも1週間は、いやそれ以上は空気中に残っていた。1カ月も2カ月も、どこに行ってもいたるところに看板があった。瓦礫の下敷きになって死んでいるのではなく何らかの形で行方不明になっているかどこかの病院に入院しているのではと祈る、絶望的な家族によって掲示された「行方不明」の人々の看板が、あらゆる街頭の柱にびっしりと貼られ、覆い尽くされていたのだ。

社会的事件という意味では、間違いなく、アメリカ人がこの生涯で直面した最もトラウマ的な出来事だった。それなのにルディ・ジュリアーニの提案は、まったく民主的でないと即座に非難され、ゼレンスキーは、戦時下には選挙を延期するという、ある種の広く認識されたルールがあることを示唆しようとした。イギリスや、第二次世界大戦中にナチスに爆撃され占領されていた国々でさえ、選挙はしばしば継続された。

しかしこれは専制的な振る舞いや権威主義的な振る舞いの長い歴史であり、彼の責任である。アメリカは何度も何度も、我々は民主主義のために戦い、民主主義を守ると主張している。

2022年12月、ロイター通信が報じたように、ウクライナはゼレンスキー政権下で、ロシア正教会の関連教会を禁止できる法律を準備していた。
その地域で最も古い教会であり、ウクライナで最も古い教会であり、多くのウクライナ人、実に4300万人が自らを信者とみなしている教会であるロシア正教会の関連教会を、ゼレンスキー政権は、それらの教会が何らかの形でロシアと提携しているという、彼の一方的で審査不能な法令のみに基づいて、教会を閉鎖しようとしていた。その国の多くの人々が忠誠を誓っている古い教会を、裁判もせずに政府に不誠実だという理由で閉鎖しようとするのは、とても民主的な考え方とはいえない。単なる命令である。


以下は『ガーディアン』紙の記事である。ロシアの侵攻からわずか1週間後の2022年3月、『ガーディアン』紙はこう伝えている。”ゼレンスキーはロシアと関係のある11の政党を停止した”

引用:
同国の国家安全保障・防衛評議会は、政党の政治活動を禁止する決定を下した。影響を受けた政党のほとんどは小規模だったが、そのうちのひとつである「生活のための野党プラットフォーム」は、450議席を有するウクライナ議会で44議席を有している。
「分裂や共謀を目的とした政治家たちの活動は成功せず、厳しい対応を受けるだろう」とゼレンスキーは日曜日のビデオ演説で述べた。
「従って、国家安全保障・防衛評議会は、ロシアによる全面的な戦争と、いくつかの政治機構がこの国家と政治的なつながりがあることを考慮し、戒厳令の期間中、いくつかの政党のいかなる活動も停止することを決定した」とウクライナの指導者は付け加えた。(ガーディアン紙、2022年3月20日)

戦時中の全面的な戒厳令を守りたいとしても、民主主義のために戦っているということを同時に維持するのはかなり難しい: この戦争におけるアメリカの関心は何なのか? なぜアメリカは何百億、何千億ドルも費やして、自国の兵器備蓄を枯渇させ、エスカレートし、核戦争にまで発展する危険を冒しているのか。ジョー・バイデンでさえ、1962年のキューバ・ミサイル危機以来、いつ核兵器が消滅してもおかしくない状況にあると言うほどだ。米国がこれほどまでに戦争に巻き込まれ、それを感じ続け(感じ続けるだけでなく)、当時のイスラエル首相ナフタリ・ベネットによれば、戦争解決のための外交の試みを、まるで戦争継続を望んでいるかのように断固として阻止する理由、動機、関心はどこにあるのだろうか。

そこで常に問われるのは、その理由は何かということだ。だから彼らは理由を示さなければならないが、その理由は、ゼレンスキーが選挙を中止し、教会を閉鎖し、野党を禁止したのと同時に、私たちは民主主義と戦うためにそこにいるということだ。だから、戦争があるから、とそれを擁護する気になるのであれば、2021年2月、ロシアの侵攻の1年以上前、ドイツのニュースメディア『ドイチェ・ヴェレ』を見ていただければわかるように、”ウクライナが親ロシア派のテレビ局を禁止した” という事実に注目してほしい。これは侵攻の1年以上前だ。

引用:
親欧米派のヴォロディミル・ゼレンスキー大統領が、8つのメディアとテレビ会社に5年間の制裁を科すというウクライナ安全保障理事会の法令に署名した後、3つの親ロシア派テレビ局がキエフで放送を停止した。
対象となったのはZIK、NewsOne、112 Ukraineの3局。
ロシアの通信社TASSは、これらの放送は火曜日の夜にYouTubeを通じてのみ視聴可能であると報じた。
このチャンネルのオーナーは、親ロシア派の「生活のための野党」の議員であるタラス・コザック氏で、ゼレンスキー氏の動きを「露骨な検閲行為」と表現している。(DW、2021年2月3日)

ゼレンスキーはウクライナのテレビ局を統合し、ライバル政党を解散させた。つまり、彼はウクライナのメディアを完全に支配している。彼はすべての野党、すべての野党テレビ局、彼の政府を批判するすべてのテレビ局を閉鎖し、主要なライバル政党を閉鎖した。彼はウクライナを完全に権威主義的、全体主義的に支配している。この国は、民主主義を守るために私たちが守っていると政府が言った国なのだ。

NPRの報道はこうだ。

引用:
ゼレンスキー大統領はウクライナのテレビ局を統合し、ライバル政党を解散させた。
ゼレンスキー大統領は、ウクライナのすべてのテレビプラットフォームを1つの国営放送に統合し、政治的ライバルを制限した。政治的野党は、このような市民的自由の制約が続くことを恐れている。(NPR、2022年7月8日)

繰り返すが、米国のウクライナでの代理戦争を正当化したいのなら、その根拠は次のようなものだ。ウクライナにおけるアメリカの代理戦争を、国家安全保障を理由に正当化したいのなら、正直なところ、私にはそれが何なのか思いつかない。

私たちはいつも、いかに(共和党・民主党の)両党が決してうまくやってはいけず、互いの喉元に突き当たっているか、いかに両党が根本的に違うかを聞かされているが、しかし、最も重要な外交政策上の問題や、帝国主義や戦争に関する問題では、両党は完全に一致団結している。ナンシー・ペロシとAOCは、マルコ・ルビオやリンジー・グラハムとまったく同じ見解を持っている。アメリカの政治体制の中で唯一異論があるのは、共和党の上院議員のうち、ジョシュ・ホーリー、マット・ゲッツ、マージョリー・テイラー・グリーンといった、一般的に共和党のポピュリスト右派に近い数十人の議員だけである。昨年5月に議会が承認した400億ドルの認可には、およそ70票が反対票を投じた。民主党は全員が賛成票を投じた。共和党の圧倒的多数が賛成票を投じた。その理由は何なのか?なぜこのようなことが起きているのか?彼らの目的は何なのか? 私の考えでは、リンジー・グラハムやマルコ・ルビオのような共和党の有力者が、ジョー・バイデンのウクライナでの戦争政策を支持しているのは、共和党の戦争推進派が反射的にジンゴイズム(私註:好戦的・排外的愛国主義、対外強硬論、盲目的主戦論;コトバンク・ニッポニカによれば、イギリスに古くからあった奇術師の掛け声Hey Jingo!に由来すると思われる強意的文句)的だからである。つまり、米国が戦う可能性のある戦争が提案され、我々が戦争に行くことになっている敵に何らかの悪意があると特定されるたびに、共和党のその派は、共和党内の有力者は、自動的に、戦争に行き、その国を爆撃し、人々を殺し、その国の政府を排除したがるのである。過去20年間、米国が提案した戦争、あるいは米国が行った戦争のすべてにおいて、リンジー・グラハムはその応援団だった。

大統領が民主党であろうと共和党であろうと関係ない。彼が批判的なのは、戦争をさらにエスカレートさせるべきだからだ。しかし、そうでなければ、彼は戦争そのものを非常に支持している。

共和党は一般的にそうだと思うが、私がそう考える理由は、彼らはただ即座に、反射的に、米国は本質的に善であり、他国を爆撃し、他国民を殺し、他国を侵略し、他国の政府を変え、他国の政府を潰すことを含め、米国が行うことはすべて本質的に肯定的である、と世界を見ているからだ。明らかに、彼らは武器商人や軍産複合体からも資金を得ている。彼らはアメリカの安全保障国家、CIA、国防総省と非常に密接なつながりがある。それらは彼らの同盟者であり、彼らが最も共感し、最もイデオロギー的に一致する人々である。しかしだからこそ、これほど多くの戦争をする国は奇妙なことだと私は思うのだ。

ところで、この戦争は西ヨーロッパ以外の世界中のほとんどの国で非常に物議をかもしている。

ロシアは明らかに間違った相手であり、ウクライナの代理戦争に資金を提供すべきだという、ある種の一致した見解というわけではない。世界の多くは今、これに反発し、アメリカの覇権主義からようやく解放される好機と見て、中国の腕の中に飛び込んでいる。

しかし、世界中でこれほど物議を醸しているのに、ワシントンの政党はこの有様だ。一寸の違いもない。そして、出馬している大統領候補者——両政党の主要な大統領候補者10人か12人が発表している——も、RFK,Jr.、ドナルド・トランプ、ヴィヴェック・ラマスワミを除けば、全員がジョー・バイデンの戦争政策を支持している。ロン・デサンティスの立場がどうなるかはまだわからない。ロン・デサンティスは、漠然と「我々は戦争に巻き込まれるべきではない」と表明しているが、時々それを撤回する。彼はケーブルニュースでの素早い発言にとどまっており、彼の見解を正確に、詳細に探ることは非常に難しい。私たちはフロリダで彼と対談するよう要請した。私はフロリダに飛ぶ。外交政策全般、市民的自由、CIA、FBI、ウクライナ戦争についての彼の見解について、じっくりと話をしたい。だから、彼を特定のカテゴリーに分類するのは難しい。しかし、RFK,Jr. トランプとヴィヴェック以外は、この戦争に賛成している。

それだけコンセンサスが固まっているということだ。民主主義を守る必要がある、というのが彼らの唯一の主張であり、それはどの戦争でも正当化される理由だ。そして、それはこの場合、ほとんど意味をなさない。

今夜のゲストの話をする前に、金曜の夜から土曜の朝にかけてウクライナ、特にロシアで起こったことを振り返っておきたい。そしてごく短い間、彼らはモスクワに向かって進軍しているように見えた。数日前のことなので、Politicoの記事を読んでおさらいしておこう。
これは6月24日付のPoliticoの記事で、タイトルは「ワグネルの反乱軍、モスクワに押し寄せる プーチンとの対決に向け出撃」となっている。モスクワ市長は、市内で「対テロ作戦」が宣言され状況は「複雑」だと述べている。

引用:
袂を分かった軍閥エフゲニー・プリゴジンのワグネル・グループの傭兵たちは、そのうちの何人かはモスクワに向かう高速道路を疾走中で、土曜日にはウラジーミル・プーチン大統領に忠誠を誓う軍隊との衝突が間近に迫っているように見えた。
クレムリンのウクライナ侵攻が失敗に終わったことに激怒したプリゴジンは、土曜日にロシア南部の重要な戦略的足がかりを押さえた。ロシア政府軍はまた、プーチンの25年にわたる支配に対する最も深刻な脅威のひとつに雪だるま式に膨れ上がっているワグネルの反乱に対抗するため、土曜日に南部の都市ヴォロネジを砲撃したようだ。
ワグネル軍がモスクワにどれだけ接近しているかは不明だが、首都から南に約400キロ離れたリペツクの知事は、傭兵の車列が通過したことを報告している。モスクワのセルゲイ・ソビャーニン市長は、「モスクワで対テロ作戦が宣言された。状況は複雑である」と警告し、月曜日は通常の勤務日ではなく、市内を移動しないようにと付け加えた。(ポリティコ、2023年6月24日)

何が起こったかというと、金曜日の夜、私たちが生放送に入る90分か2時間くらい前から、この事態が展開し始めたのだ。

私たちは、司法省がハンター・バイデンに対する犯罪捜査を政治的に利用し、ハンター・バイデンが1日も刑務所で過ごすことがないように、彼が罪を認めることを許された2つの軽罪よりも重い罪からハンター・バイデンを守った方法について、2人の国税庁の内部告発者からかなり破壊的な暴露があったこと、そしてこれらの取引にジョー・バイデンが関与していることが明らかになったことを報告する番組を計画していた。かなり重要な話だ。

それで、私はロシアのこれらの出来事を聞いたのだが、すべてが不明確で不確かであったため、生放送でこれらの出来事について語り始めたくはなかった。地球の裏側の紛争地帯で、動機も不明確な行為者たちの間で、2万5千人の軍隊が、地球上で最も要塞化された場所のひとつであるクレムリンに脅威を与える可能性があると主張するのは、私には笑止千万に思えた。ドナルド・トランプが好きで、1月6日に国会議事堂内で武器を振り回したり、武器を振り回したりしたこともないフェイスブックの1000人の団塊の世代が、地球史上最も強力な政府である米国に脅威をもたらしたという考えよりも、私には少し信憑性があった。それよりは信憑性があったのだろう。しかし、これが本物の脅威だなんて、私にはとんでもないことに思えた。それなのに、ウクライナでの戦争が大好きな人たちはすぐに、これはモスクワにとって重大な脅威であると喧伝し始め、これからお見せするような様々な情報を流した。

私が放送に出たとき、そして特にその翌朝、まるで私が何かを避けようとしているかのように、なぜまだこのことについて話していないのかと、大勢の人々が要求しているのを目にした。何を避けるというのか?なぜ、このことが私個人に関係してくるのか?私の見解は、ウクライナの代理戦争における米国の役割についてだ。私はこの戦争におけるロシア側でもウクライナ側でもない。

私の主張は、アメリカには何の役割も、そこでの正当な役割もなく、この戦争を煽り、ウクライナがますます破壊されるようにすることで、すべてを悪化させているということだ。

しかし、これはソーシャルメディアやインターネット時代の考え方だ。あなたは明確でない出来事について、尊大な態度でこの何の明確さもない件に関して断定的な見解を述べなければならない。何が起きているのか誤解させるのではなく、人々に情報を提供するために、明確な事実が明らかになるのを待ち、報道しようとするのとは対照的に、これはただ漫然と推測されている。

シリコンバレーの投資家で、全米トップ20に入る人気ポッドキャスト『アレン』のホストを務めるデビッド・サックスも同じだった。彼はウクライナにおける米国の代理戦争に率直に反対してきた。彼はロシアの味方ではない。ウクライナ側でもない。彼はただ、この戦争への我々の関与に反対しているだけなのだ。そして6月23日、この事件が起こった日に彼が強調したツイートがある。

引用:
「デビッド・サックス(私註:次期大統領候補のRFK,Jr.に寄付をしている大投資家、元PaypalのCOO)から、これがウクライナにとってどのような災難なのか聞くのを待ってる。」(ジェイク・チャップマン、2023年6月23日

この時点のまさに翌日、プリゴジンは尻尾を巻いて退却し、ベラルーシに行くと発表した。

ベラルーシではある種の暫定的または一時的な亡命を申し出ており、それが実際にどのようなものかはこれからわかるだろうが、彼が集めた部隊はウクライナに戻り、これ以上暴力を振るう必要なく、事態全体が拡散したと発表した。

そして、プーチンの支配がついに崩壊したことを知ってモスクワを去り、ロシアがどのように内戦に突入したかについてのすべての発表は、状況を実際に明らかにするのを誰も待とうとしなかったため、すべて虚偽であることが証明された。

デビッド・サックスは「昨日まで私の意見を知りたがっていた多くの人々が、今はみんな黙ってしまったのはおかしい」と言っている。というのも、クーデターは1月6日のクーデターよりもあらかたより早く消滅してしまったからだ。3時間より少し長かったが、それほど長くはなかった。

まったく同じことが私にも起こった。驚きだった。土曜の朝、目を覚ますと、特に(私註:ハンター・バイデンに関する)国税庁の内部告発者と彼らがアメリカ大統領にもたらした暴露について報じたクリップを掲載したときに目にしたのは、「私が国税庁の内部告発者について番組を担当したのは、私個人を巻き込んだこの信じられないほど重大な瞬間(私註:”ロシアの危機”とウクライナ戦争支持者たちが考えた状況)から何とか目を逸らそうと必死だったからだ」と主張するウクライナ戦争支持者たちの姿だった。

というのも、いつものように、これはどの戦争にも言えることだが、アメリカ政府の戦争政策に反対し、アメリカの指導者たちが戦争に巻き込まれることを望むことに反対すれば、あなたは自動的に、アメリカが攻撃することを望む相手国や政府の側にいることになるという暗黙の理論があるからだ。ベトナム戦争に反対する人はみな、ホーチミン側の共産主義工作員だと非難された。イラク侵攻に反対する人々は、サダムの擁護者、あるいはアルカイダのシンパと呼ばれた。CIAによるシリアでの政権交代戦争に反対する者は、親アサドと呼ばれた。アメリカの政権に反対すれば、親カダフィと呼ばれる。これがネオコンのプロパガンダだ。

そしてここでも、ウクライナ戦争における米国の役割に反対すれば、自動的にクレムリンのエージェントだと非難される。それはニュースではない。そのことについて何度も書いてもいない。私のような誰かや、スキャンダルやロシアゲートに関するCIAのでっち上げ理論に対して疑問を呈した人が、あなたはクレムリンのエージェントだと非難されるのと同じだ。あらゆるベッドの下からロシアの工作員を探す、純粋なマッカーシズムだ。アメリカ政府の政策や戦争に反対する者は裏切り者であり、反対側にいる。まるで私がロシア政府のシンパであり、ロシアの内戦に関するニュースを隠したがっているかのような考え方だ。

これ↓はほんの一例だ。この人物が誰なのか、私はとても注目に値すると思った。彼は自らを “ルーマニアの自由主義者” と呼び、ツイッターの経歴には社会主義の象徴である赤いバラを使っている。つまり、彼は単なる民主党員でもなければ、単なるリベラル派でもない。この男は反逆者だ。革命家だ。社会主義者だ。彼の経歴をご覧いただきたい。彼は自らをリベラルな社会主義者と呼んでいる。小さな赤いバラがある。菜食主義者で、名誉レズビアンだ。経歴を見れば、彼がいかに過激であるかがわかる。まさに過激派だ。そして、これはIRSの内部告発者とジョー・バイデンについて彼が証明したことについて私たちが行ったビデオの投稿に対する彼の反応です。彼はこう書いた:

引用:
「この瞬間に最も気になるのがハンター・バイデンのdíkの写真だなんて、君は世間ずれしているのか?」(Romanian Liberal、2023年6月25日

自称左翼が、ラップトップに関する話から明らかになったことや、ウクライナや中国でのジョー・バイデンの取引への参加についてIRSやブロガーたちが語ったことを知らないという事実は、自称左翼がいかに党派的で、民主党に忠実であるかを示している。彼らは自分たちを体制権力に対する脅威としての急進派だと考えているが、それでも民主党の下僕なのだ。彼らはハンター・バイデン事件が何なのかさえ知らない。なぜなら、彼らが耳を傾ける唯一の企業メディアはそれを伝えないからだ。だから、ハンター・バイデンのノートパソコンにあるのは、彼が言うところの「díkの写真」だけだと思っている。

彼はまた、CIAと企業メディアが選挙前に団結してラップトップについて嘘をつき、ロシアの偽情報、と呼んだという事実を気にも留めない人物だ。なぜなら、左派の主流派でCIAを気にかける人は、もはやほとんどおらず、CIAを悪意あるものとは見ておらず、企業メディアも悪意あるものとは見ておらず、米国とNATOが提案するあらゆる戦争を信じられないほど支持しているからだ。

彼は、私が、ロシアで何もないことが判明したことについて話さず、代わりにハンター・バイデンの件について話していたことに腹を立てている。彼はその夜、金曜の夜に私に放送に出ることを望んだが、それはプーチンが退陣の危機に瀕しているようなもので、多くの左翼と彼らがなるものの代表のようなものだという意味だったのだろう。世論調査のデータを見ると、民主党は圧倒的にCIAやFBI、国土安全保障省を高く評価している。彼らはアメリカの安全保障国家を崇拝し、NATOやアメリカの軍産複合体を崇拝しているからだ。リベラル派の自然な言説の中に、外交政策は、もうほとんど存在しない。レーダーにも映らない。

先に述べたように、ほとんど瞬時に広まった偽情報は、追跡することさえほとんど不可能だった。ツイッターのオーナーであるイーロン・マスクは、マリオ・ナウファルのこのレポートを「これまで見た中で最高の報道」と推薦した:

引用:
クーデター最新情報: プーチンがモスクワを離れると報道/モスクワ周辺に機関銃陣地/ワグナーの車列がモスクワに向かう。(@MarioNawfal. 2023年6月24日)

……これがツイッターで最高の報道として推薦されたツイートである。

引用:
クーデターが続く中、最新情報はこちら。
[…]
ロシアの核弾頭の心配は数週間前にベラルーシに移った。
ワグナー軍はロシア空軍による限定攻撃でモスクワへの進撃を続けている。
軍用VIP機の動きから、プーチンら高官がモスクワを離れ、サンクトペテルブルクに向かったとの報道。政府系メディアであるタス通信は、プーチンがサンクトペテルブルクに向かったと報じた。プーチンの報道官はこれらの報道に反論した。TASSとクレムリンの間にこのような断絶が見られるのは非常に異例で珍しい。(@MarioNawfal. 2023年6月24日)

どれも真実ではないことが判明した。そして、自明のことだが説得力がなく、あちこちに広まっている。

ここにワシントン・ポスト紙のネオコンコラムニスト、ジェニファー・ルービンがいる。彼女もまた、多くの人々と同様、かつては共和党の筋金入りの支持者だった。彼女はミット・ロムニーに心酔しており、人々はロムニーに接近禁止命令を出すべきだと考えていた。
今はもちろん、筋金入りの民主党支持者としてジョー・バイデンを愛している。彼女はこう言っている:

引用:
ウクライナにおける私たちの決意が、ウクライナの存続だけでなく、プーチンの勝利と終焉につながるとしたら、想像できますか?トランプが敗北し、彼のGOPの支援者たちが卵を顔につけていることを神に感謝する。(@JRubinBlogger. 2023年6月24日)

共和党の大半はウクライナ戦争を支持している。だから、共和党は卵を顔につけていないだろう。

しかし暗黙のうちに、彼女は実は、あなたがどう思おうと西側諸国が嫌うプーチンを、あらゆる点において限りなく狂信的に憎むワグネル・グループを、応援していたのだ。ワグネル・グループがプーチンに対してクーデターを実行し、ロシアで権力を掌握し、世界最大の核兵器を掌握することはどういうわけか歓迎すべきことだという考えをもつこの人たちは、完全にどうかしている。

先ほども言ったように、共和党がこの戦争を支持する理由は、この反射的なジンゴイズムにある。

民主党がこの戦争を支持する理由は、彼らがプーチンをとても憎んでいるからだ。なぜなら、彼らは2016年にヒラリー・クリントンがドナルド・トランプに負けた責任をいまだにプーチンになすりつけているからであり、それは彼らがアメリカ史上最も終末的な瞬間とみなしているからだ。だからこそ、彼らの多くが暗号ファシスト組織であるワグネル・グループを応援していたのだ。プーチンに関することはすべてワグネル・グループにも当てはまる。しかし、彼ら民主党はこの反プーチンの物語にはまっていて、この傭兵集団、この狂い動揺した傭兵集団がモスクワの権力を掌握するのを応援していた。

その夜のニューヨーク・ポスト紙も 「プーチンがモスクワから逃走、ワグネル軍がロシアに進攻」と報じている。

ネオコン弁護士 ジェフリー・ゴールドバーグの下、あらゆる偽情報の発信地となっている『アトランティック』誌に、彼の仲間のネオコン弁護士で、ジェフリー・ゴールドバーグ同様、過去20年以上にわたってアメリカのあらゆる戦争を嘘で応援してきたアン・アップルバウムが書いた、その夜の見出しがある。「ロシア、内戦に突入。プーチンはニコライ2世の瞬間に直面しているのか?」:

引用:
プーチンは何カ月も、本当に何年も、自国の問題をすべて部外者のせいにしてきた: アメリカ、ヨーロッパ、NATO。彼は自国と自国の軍隊の弱点を、威勢がよく傲慢な態度の陰に隠し、外国の聴衆にはニセの「白人キリスト教ナショナリズム」を、国内向けには帝国主義的愛国主義をアピールしてきた。今、彼は、現代ロシア軍、ひいては現代ロシアの真の価値観に従って生きる運動に直面している。
この瞬間にはいくつかの前例がある。1905年、日本との戦争におけるロシア艦隊の惨憺たる成績は、失敗した革命を鼓舞するのに役立った。1917年には、怒りに燃えた兵士たちが第一次世界大戦から帰還し、より有名な革命を起こした。プーチンは今朝の短いテレビ出演の中で、その瞬間に言及した。そのとき彼は、「軍隊の背後で議論していたことが最大の破局となり、軍隊と国家が破壊され、巨大な領土が失われ、悲劇と内戦が起こった」と語った。彼が言及しなかったのは、ニコライ2世が政権を去る瞬間まで、妻とお茶を飲み、日記に平凡なメモを書き、ロシアの普通の農民が自分を愛し、常に自分の味方をしてくれると想像していたことだ。彼は間違っていた。(『アトランティック』誌、2023年6月24日)

これだけだ。嘘と偽情報の絶え間ない大津波が、いたるところに押し寄せている。その一方で、彼らは真実の守護者であると主張し偽情報と戦っている。

プーチンが本当に危機に瀕していることを示唆し、今はワグネル・グループとその指導者と交渉したことで、プーチンがいかに弱いかを証明したというシナリオになっている。

米国や西側の人々は、暴力や武力を使わずに紛争を解決できるのは弱さだと考えている。
プーチンは、国を内紛に巻き込むことなく、この反逆の指導者数人を説得し、自主的に退去させることができた。それは弱さではなく強さの表れだ。

主犯はマイケル・マクフォール、いつものように、オバマの元駐ロシア大使だ。彼は様々な情報で罪を犯していたにもかかわらず、ニュースになっていた。ここに6月24日、その朝のツイートがある:

引用:
プーチンは先ほどの演説で明言した。彼は #ワグナー と #プリゴジン を壊滅させるよう軍などに命令した。だから、大きな戦いになるだろう。プリゴジンが降伏しない限り、ロシア人はおそらく大量にロシア人を殺すだろう。(@McFaul、2023年6月24日)

「プリゴジンが降伏しない限り」というのは、もちろん、まさに彼がしたことだ。しかし、ジェン・プサキの番組でも、MSNBCやCNNのどの番組でも、国を戦争に導いてきた温情主義者たちが同じ顔ぶれだった。

2023年6月24日の “Inside with Jen Psaki” のツイート、ゲストはマイケル・マクフォールだ:

引用:
ロシアでは異常な週末となりました。私たちは明日午後12時から2時(東部標準時)まで、そのすべてをカバーするために取材を拡大しています。マクフォール @stavridisj @anneapplebaum @RepSlotkin @brhodes、デビッド・レムニックと一緒に。(Inside with Jen Psaki2023年6月25日

このような企業の報道機関に何度も何度も出演させられ、戦争のためのプロパガンダを行い、20年間もそうしてきた人たちは、どんなに嘘や偽情報を流していることがバレても、同じグループだ。企業メディアの役割は、安全保障国家と戦争政策のために国民に宣伝し、嘘をつくことだからだ。

さて、申し上げたように、企業メディアのメンバーからあちこちに広まった信じられないほどの量の偽情報をお見せすることもできるが、それがいかに早く出現したかは十分に味わっていただけたと思う。

(この後は)
レフ・ゴリンキン氏に、彼のジャーナリズム、彼の幼少時代の故郷であるウクライナ、そしてウクライナの最新情勢について、これらの問題について実際に批判的に物事を考える人物から話を聞こうと思います。この後すぐに彼と一緒にお送りします。
(お知らせ)
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ウクライナを長年取材してきたジャーナリスト、レフ・ゴリンキン氏との対談

レフ・ゴリンキン氏は、ウクライナを長年取材してきたウクライナ系アメリカ人ジャーナリスト。ソビエト・ウクライナの回想録『A Backpack, a Bear, and Eight Crates of Vodka』の著者。彼の報道と分析は、ニューヨーク・タイムズ、CNN、ネーション、その他多くの雑誌や新聞に掲載されている。今回のシステム・アップデートのデビューに彼を迎えられて、私たちは本当に感激している。

G・グリーンウォルド:こんばんは。お会いできて光栄です。お会いできて感激です。あなたが取り組んできた具体的な問題に入る前に、そして、あなたの分析を聞きたいと思っているのですが、あなたのバックグラウンドについて少し話してください。あなたは明らかにウクライナに非常に興味を持っていますね。
特にウクライナの反ユダヤ主義の問題に関心があるようですが、この議論の中で反ユダヤ主義がどのように行使され、利用されているのか。その関心の理由は何ですか?

レフ・ゴリンキン:私は東ウクライナ出身です。ソ連の反ユダヤ主義からの政治的難民としてアメリカに来ました。アメリカのユダヤ人団体が、私たちをソ連から脱出させるためにどのように戦ってきたかについては、特に感謝しています。
だからこそ、ウクライナの極右に関しては、今日のアメリカのユダヤ人団体が、軽く言って受動的であることに、とても心を痛めているのです。

G・グリーンウォルド:この戦争が最終的にどのような結末を迎えるのかについて、私はいろいろと考えています。というのも、一方では、ウクライナの立場とアメリカの立場は、ウクライナの領土がロシア側に渡ればこの戦争は終わらないというものです。プーチンは当時、不安定化させる先例になると警告していましたが、今ではウクライナ東部とクリミアの両方で公正で自由な住民投票を実施し、これらの地域の人々がキエフの中央政府の一部になりたいのか、モスクワの支配下に入りたいのか、それとも独立した州になりたいのかを決めるという先例になっています。その潜在的な解決策についてどうお考えですか?また、クリミアやあなたの出身地であるウクライナ東部の人々がこの問題についてどのように考えているのか、今回の戦争で明らかに状況が変わったかもしれませんが、感じていますか?

レフ・ゴリンキン:答えは、つまり、ゼレンスキーでさえ、国民投票を行うべきだと話して政権に就いたが、これらの人々の意見は、間違ったタイプの教会とみなされる教会を持つ人々にとってそれがカウントされないのと同じように、カウントされないということだ。

だから、クリミアを例にとってみよう。それはとても簡単なことだ。ワシントン・ポスト紙以降の誰もが、彼らがウクライナへの復帰を望んでいないことを認めているが、この戦争を推進している人々にとっては、そんなことはどうでもよいことなのだ。この戦争を推進している主な民族主義グループはウクライナを望んでいる。彼らは東ウクライナ人のことなど気にしていない。彼らは2014年以来、彼らに対して戦争犯罪を犯してきた。だから、彼らの生活や選択を特に気にしているわけではない。ゼレンスキーは国民投票を行うべきだと考えて有望視していたが、すぐにそうではないと教えられた。つまり、間違った教会に入ったり、入ったりしたことで、人々が追いかけてくるような国で、人々を本当に信頼し、ああそうだ、この政府は気に入らない、と言ったときに、真実を見抜くことができるでしょうか?彼らはバカじゃないんだから。

G・グリーンウォルド:では、この戦争が最終的にどのように終結するとお考えですか?というのも、プーチンとクレムリンがクリミアはおろか、ウクライナ東部からの追放を受け入れるとはほとんど思えないからだ。そして、西側諸国の立場はかなり明確なようで、私は彼らの言葉を信じるが、いかなる状況であれ、ウクライナが現在ロシアが占領している東ウクライナの全領土とクリミアを取り戻すまでは、この戦争を終わらせることはできないということだ。
では、この戦争にどのような解決の可能性があるとお考えですか?

レフ・ゴリンキン:ありません。当面、何もない。つまり、2015年か2021年のように、再び凍結された紛争になるのがせいぜいでしょう。
ゼレンスキーの周辺にいる極右勢力は、ロシアとの和解など何一つ受け入れるつもりはないだろう。
だから、彼が交渉に応じるかどうかは無意味だ。
つまり、私が見ることができる最善の方法は、敵対行為の停止と戦線の凍結である。それしか解決策はない。

G・グリーンウォルド:あなたがこの1年半の取材や執筆で最も強調されてきたことの一つは、ナチズムの存在を西側諸国が白日の下にさらしてきたことです。
つまり、本物のナチズムのようなもので、アメリカでは保守派やドナルド・トランプに投票した人々に対して投げかけられるような言葉ではありません。
ナチ党のイデオロギーやアドルフ・ヒトラーに明確に同調したり、ナチス・ドイツに文化的あるいは世代的な忠誠を誓ったりする人々のことです。
この10年間、西側のメディアはアゾフ大隊がいかにナチスのグループであるかを公然と語り、西側諸国がいかに彼らの手に武器が渡る危険性を警告し、フェイスブックではアゾフ大隊がヘイトグループであることを理由に称賛することを禁じるルールを設けていた。
そして一夜にして、メディアはその物語を完全に変えた。
アゾフ大隊はナチスのグループから、自由の戦士たちの英雄的なグループへと変貌したのだ。フェイスブックは、『戦争が終わるまで、アゾフ大隊をヘイトグループとみなしていても、称賛することは許される』という免除規定を設けた。このような変化の速さについて、またウクライナにナチズムが存在することの本当の危険性について、どうお考えですか?

レフ・ゴリンキン:白塗りが横行し、あまりに露骨なので、つまり、これは北朝鮮の国営メディア型の兵器のようなものです。私は2014年に、その明白な危険性について最初に警告を発した一人だと言ってきた。そしてしばらくの間、人々はこのことについて話していた私たち数人を信じなかった。
しかし、その後、急速に拡大し、彼らはLGBTグループを攻撃し続け、ローマを攻撃し続け、ネオナチを世界中にリクルートし続けた。
彼らに対しては(重視せず)本当に軽くみてよいのである。
それで、2017年以降、考えられる西側のあらゆる機関が、アゾフは厄介な問題であるという事実で足並みをそろえ、ただ『いや、大丈夫だ』と言った。ネオナチ組織として何年も何年も報道してきたこのグループが、突然ネオナチでなくなったのだ。
欧米のメディアはそのために、嘘と偽情報に頼ったのだが、私はその単純さと図々しさに唖然とした。

基本的に3、4人のプロパガンダ担当者が、突然ネオナチでなくなったと言ったのだ。しかも、その責任者が撮影されたにもかかわらず——極右団体『ホワイト・ボーイズ・クラブ』というグループの出身で、ネオナチのオリジナル大隊のメンバーだったにもかかわらず——、基本的なジャーナリズムの倫理のかけらもなかった。そして彼らは、この人たちは目の前で見ると、突然魔法のように変身したと嘘をつき始めた。

そして、最も卑劣なのは、マージョリー・テイラー・グリーンがくしゃみをするたびに、ヒトラーの再来だとも言う人々と同じだということだ。つまり、ネオナチについて語るのを止められない一方で、文字通りのネオナチについては無視しているのだ。
(私註:Marjorie Taylor Greene:政治家、実業家、極右陰謀論者で現在ジョージア州第14選挙区の下院議員。物議を醸し、時には扇動的な発言や、QAnonのような陰謀論を支持することで注目を集める。また、学校での銃乱射事件や2020大統領選挙などに関する過去の発言で批判を浴びている。)

これはウクライナ支援とは何の関係もない。その気になれば、ウクライナを武装させることはできる。ウクライナにさらに数十億ドルを投入することもできる。ごく一部のネオナチを支援する必要はない。これは、私たちだってウクライナを支援しなくてもいいという選択だ。しかし、私たちは何度も何度も、ネオナチを特集し、美化し、祝福し、キャンパスに招き、議会に招くことを選択している。ウクライナ軍の他のメンバーを招待することもできる。他にもたくさんいる。しかし、私たちはネオナチを招待する。それがアメリカの選択なのです。

G・グリーンウォルド:第二次世界大戦とその影響、ソ連が長い間この地域を支配していたこと、もちろんウクライナはソ連の一部だった。CNNやBBCでウクライナの当局者がインタビューを受けているのを見ると、壁にウクライナの国民的英雄の写真が飾ってあることが多い: ステパン・バンデラだ。ステパン・バンデラという人物は、ウクライナの、少なくとも一部の地域では国民的英雄なのだ。長い間、彼を国民的英雄と表現することは、少なくとも物議を醸すものだったが、今回の戦争で、このように語ることがウクライナの支配階級のコンセンサスのようになったようだ。
ステパン・バンデラを擁護した駐ドイツ大使がいたのですが、彼はそのポストから外されました。ステパン・バンデラとはどんな人物で、ウクライナの図像において彼が果たしている役割について話してください。

(私註:ステパン・バンデラ(Stepan Bandera、1909-1959)はウクライナの民族主義指導者で、若い頃から様々な民族主義組織に関与していた。
彼はウクライナの歴史において物議を醸した人物であり、多くの人々からは英雄として崇められ、他の人々からはナチスの協力者として非難された。
バンデラは1929年に結成されたウクライナ民族主義者組織(OUN)の指導者で、ウクライナ独立国家の樹立を目指していた。1934年にリヴィウで起きたポーランド政府高官の暗殺事件に関与したため、テロリズムの罪で有罪判決を受け、死刑を宣告された。
1939年まで投獄されたが、ナチス・ドイツとソビエト連邦の合意により釈放された。
第二次世界大戦中、バンデラとOUNはナチス政権に協力したが、後にナチス軍とソ連軍の両方と戦った。彼は1959年、西ドイツでソ連の諜報部員によって殺害された。今日、バンデラの遺産は、ウクライナで議論と論争の的となっている。)

レフ・ゴリンキン:ええ。ウクライナがステパン・バンデラを好きだという人がいますが、それは間違いです。
彼はウクライナの西部、ナチスと同盟を結んだ地域、ウクライナのウルトラナショナリズムの中心地である地域では英雄です。
ウクライナがステパン・バンデラを好きだと言うのは、アメリカがロバート・E・リー(Robert E. Lee、南北戦争の南軍のリーダー)を好きだと言うようなものです。ウクライナは彼が好きだというのは間違っている。それは国民のある一定の割合であり、非常に特殊な割合だ。
しかし、マイダン蜂起の後、彼らは国全体にバンデラ集団への崇拝を植え付けた。つまり、私が言いたいのは、ウクライナ人の大多数はナチスと戦って亡くなった家族を持っている。

(私註:マイダン蜂起は、ユーロマイダンまたは尊厳の革命としても知られ、2013年11月21日にウクライナで始まった一連の抗議と内乱。ウクライナ政府が欧州連合(EU)との連合協定調印計画の中止を決定したことに反発して始まり、抗議デモはキエフのマイダン・ネザレジノスチ(独立広場)に端を発した。この抗議デモは反動的に拡大し、やがて政治・経済改革の拡大と政府の腐敗撲滅を求める広範な運動へと発展した。デモ隊と警察の衝突により、100人以上の死者を出した。最終的に、この抗議運動は当時のビクトル・ヤヌコビッチ大統領の失脚と、親欧米政権の樹立につながった。)

レフ・ゴリンキン つづき:つまり、彼ら(ナチスと戦って亡くなった家族をもつウクライナ人)にとってバンデラはナチスの協力者であり、ヒトラーを支援した軍隊なのだ。そして、この人たちはバンデラを崇拝していない。
バンデラが犯罪者であり、バンデラが怪物であるという何百万、何千万という人々の不快な意見は無視される。
ところが彼らは、「ウクライナ人は彼を崇拝している」と言っている。
第一に、それはウクライナ人ではなく、たまたま現在政府を支配(hold over the government)している西側のウクライナ人であり、
第二に、ホロコーストの歪曲に従事している人々である。
西側メディアは、集団によるホロコースト歪曲に関与している。彼らはこう言っている: ステパン・バンデラはナチスの協力者か英雄か?
イスラエル紙も含めて、まるでそれが質問であるかのように印刷された実際の記事だ。

まず第一に、彼がナチスの協力者ではなかったことに疑問の余地はない。彼の軍隊は、ハンニバル・レクターが過剰と考えるような方法で、数万人のユダヤ人と7万から10万人のポーランド人を殺害した。OK? 彼らはロシアと戦ったと言っている。ロシアと戦うのは得意ではなかった。そして、彼らが協力した相手は戦争犯罪を犯している。だから、もしこれが他のホロコースト加害者だったら——ヨーロッパ全土でナショナリズムが台頭しているからだが——ステパン・バンデラ以外の加害者であれば、ユダヤ人団体は非難するだろう。

G・グリーンウォルド:それをお聞きしたかったのです。
あなたはユダヤ人団体について言及した。
もちろん、ウクライナのような重要な国で、国家的英雄として扱われているナチスの協力者がいるというようなことを聞くと、あなたがおっしゃったように、ウクライナ西部を中心に権力を握っている支配者層から非難されます。名誉毀損防止同盟(ADL)を中心とするグループは、このようなネオナチグループを非難し、彼らを支援すべきではないと自称するリーダー的存在だ。
そしてアゾフ大隊に関しては、ADLは報告書や公の発表でまさにそうしてきた。少なくとも最近では2019年の時点では、アゾフ大隊は非常に危険なナチ・グループだと述べていた。
それなのに、ウクライナで、私たちはまさに同じナチス勢力と手を組み、武装しているという事実に関しては、彼らADLからまったく話を聞かないのだ。
ADL(私註:The Anti-Defamation League、名誉毀損防止同盟:ウクライナにおいて、ウクライナの反ユダヤ主義に関する調査を行っている)はどうなっているのだろう。親ユダヤ的言説の自称守護者である彼らはこれらの団体について何を語っているのだろうか。

レフ・ゴリンキン:
私にとって、ADLについて最も重要なことは、1カ月ほど前つまり6週間前のことだが、 ニューヨーク・タイムズ紙は、ウクライナ軍にナチスのシンボルやイメージが蔓延しているという記事を掲載した。

ニューヨーク・タイムズ紙は、ADLが完全に注視しているネオナチのシンボルのワッペンをつけたウクライナの兵士について、ADLに尋ねた;
(記事によるとその回答は)そのワッペンはヘイトグループの音楽バンドのもので、極右と深く関わっているバンドであり、このバンドはこの事実を特に利用しているのだ。
私は唖然とした。ADLは何年もの間、Spotifyがヘイト・ミュージックを流していることを追及し、Amazonやその他サイトがヘイト・グループの商品を販売していることを追及してきた。ADLはこのことに非常に真剣だ。

これは危険なことだ。これはナチズムの拡散であり、ナチズムの常態化だ。命が危険にさらされている。そして確かに、ADLはニューヨーク・タイムズ紙に、ワッペンだけでこの兵士のことを推論することはできないと述べた。
これはバンドのワッペンである、と、あらゆる警告を掲げるべき事態を前にして、突然このようなオープンマインドを持つようになるとは、信じられないとしか言いようがない。

もうひとつは、ADLだけでなく、ユダヤ人団体一般の沈黙だ。
私は、アゾフのネオナチが議会に招かれ、議会と会談してきたことを記録してきた。

マーク・ハミルは、彼らが極右の旗を掲げたYouTubeの会話に参加していた。

(私註:マーク・ハミルは有名なアメリカ人俳優で、スター・ウォーズのオリジナル3部作でルーク・スカイウォーカーを演じたことで知られる。彼はまた、アニメやビデオゲームの声優としても成功を収めており、DCコミックの様々なプロジェクトでジョーカー役を長年演じていることでも知られている。ハミルはソーシャルメディア上でも存在感があり、ツイッターやインスタグラムのアカウントも活発である。最近のニュースでは、ハミルはウクライナを支援するために、寄付と引き換えにサイン入りのスター・ウォーズのポスターを抽選で提供し、資金を集めている。)

もし、この人たち(アゾフのネオナチ)が他のタイプのナチスやナチスの協力者だったら、この人たちやマーク・ハミルは、ホロコースト博物館でひざまずいて、自分たちの仕事をし、許しを請うだろう。

そして、これらの反ユダヤ主義の仲裁者を自任するこれらの人々による団体の沈黙は、ただただヘイト(憎悪)に満ちている。そして最後に言っておきたいのは、米国務省(≈外務省)が、ロジャー・ウォーターズがナチスの衣装を持っていると発言したということだ…

G・グリーンウォルド:そうです。ロジャー・ウォーターズ(Roger Waters、English musician、Pink Floyd)のエピソードについてお聞きしたいのですが、それが何を明らかにするのか——私はとても興味深いと思うので——、論争をよく知らない人たちのために、その基礎固めをしておきたいと思います。
彼らは6月5日、つまりほんの2、3日前にこの記事を掲載した。見出しは “Nazi Symbols on Ukraine’s Front Lines Highlight Thorny Issues of History”(ウクライナの最前線にあるナチスのシンボルが歴史上の茨の道を照らしている)。
そして、彼らは本質的にこれを枠にはめたようだ。この見出しと小見出しは、記事の骨組みを明確にしている。
“部隊がナチスの紋章入りのワッペンを使用することは、ロシアのプロパガンダを煽り、西側諸国が半世紀かけて排除しようとしてきたイメージを広める危険性がある” というものだ。アメリカや西側諸国が、非常に洗練された攻撃兵器を実際のナチス大隊の手に渡すことを懸念しているのではないようだ。
一方、アメリカでは、ドナルド・トランプに少しでも近づいた人物はナチスだと非難され、彼らを中心に据え、犯罪者にし、議会から排除すべきだと考えている。そして、本物のナチスのような連中と対峙し、武装させようとする。そして、ニューヨーク・タイムズ紙でさえ、ついにニュース記事を掲載したほどだ。ナチスを武装させているのではなく、これがプーチンのプロパガンダに役立っているのだ、という類の懸念ではあるが。

レフ・ゴリンキン:では、お聞きします。どのロシアが最も邪悪なのか?これは彼らが持っている最も愚かな二分法だ。ロシアがアメリカの悪いところをすべて報道するのは、ロシアがアメリカを悪く見せたいからだ。我々はその敵なのだ。ロシアはアメリカの人種差別について語るのが大好きだ。ソ連時代からそうだった。彼らはアメリカの人種差別について話すのが大好きで、それを強調するのが大好きで、大好きなんだ。私の幼少期は、ネイティブ・アメリカンをいかに服従させたかという話で育った。ロシアのプロパガンダの一部なんだ。この論理に従えば、アメリカの人種差別について語る者は誰でも、ロシアのプロパガンダに燃料を与えていることになる。それくらい馬鹿げた話だ。それが問題なんだ。ジョージ・フロイドを殺したことが問題なんじゃない。クレムリンにとって好都合なことなんだ アメリカでは問題だし、ロシアのプロパガンダにもなる。だから、ロシアのプロパガンダに屈したくないなら、24時間365日、猫のビデオを流すべきだ。いいかい?アメリカの問題を語る代わりにね。バカバカしい。このパラダイムがいかに危険かということだ。

G・グリーンウォルド:例えば、米国の戦争政策に反対するとか、米国は不当にイラクに侵攻し、多くの人々を殺したと言うとか、ロシアもそのようなことを囃し立てたいのでしょうが、そうすると、自国の政府を批判しただけでロシアのプロパガンダになってしまうのです。もちろん、それは冷戦の50年間、中傷戦術だった。それはマッカーシー(註Joseph McCarthy)派の決定的な戦略であり、われわれの政策に反対する者はすべてクレムリンの工作員だと決めつけることだった。それは非常に生きている。

あなたが言及したピンク・フロイドのロックスター、ロジャー・ウォーターズのエピソードは、西側諸国では長い間物議をかもしてきた。
彼はまた、ウクライナにおける米国とNATOの戦争姿勢を非難し、米国が戦争を挑発したことを非難し、米国とNATOが意図的に戦争をはるかに悪化させていることを示唆した。
そのため、彼はあらゆる中傷キャンペーンの標的になっている。ドイツでは、彼が長年続けてきたパフォーマンスの一環として、狂気に陥ったファシストの独裁者を描いたピンク・フロイドのアルバムを原作とする有名な映画『ザ・ウォール』からさまざまな曲を演奏した。ベルリンの警察は、彼がナチズムを推進するためにナチスの制服を着ていると思い込んだ。現在、ここブラジルでも警察の捜査が行われている。
ロジャー・ウォーターズは10月にブラジルに来てライブを行う予定だ。ブラジルの法務大臣は、彼のライブに連邦警察を派遣し、もし彼がナチズムを宣伝すれば、その場で逮捕すると警告した。
それなのにあなたは、ドイツ政府を最悪の信念で非難するこの問題に関して、アメリカ国務省の姿勢にかなり憤慨している。ロジャー・ウォーターズがナチズムを助長したということですが、そのエピソードについてどうお考えですか?

レフ・ゴリンキン:ドイツがホロコーストについて反省しており、ホロコースト追悼の最前線に立ち、ホロコーストに関連するあらゆるもの、ホロコーストの記憶を冒涜するあらゆるものを取り締まると主張しているのは、プロパガンダの最大の、驚くべき偉業のひとつだ。
それは嘘だ。
CNNや『フォワード』紙で報じたように、ドイツの街はナチを称えるモニュメントで溢れている。街路、病院、大学、コンサートホールとたくさんある。これはそのすべてではない。ほんの一部だ。第二次世界大戦末期の戦争法廷であるニュルンベルクで、ナチスを追及するために有罪判決を受けた人々を含む、文字通りのナチス、ナチス党員を称えるものなのだ。つまり、救いようのない人々なのだ。何十万もの強制収容所や奴隷を抱え、ホロコーストとドイツの戦争マシーンを可能にした人々だ。
だからロジャー・ウォーターズは、ニュルンベルクで有罪判決を受けた文字通りの戦争犯罪人の銅像があるドイツのコンサートホールに行きたかったとしても、ドイツによれば、それは問題ではない。それはナチズムの賛美ではない。
しかし、ロジャー・ウォーターズがコスチュームを着れば、それは危険になる。
だから、ドイツがこのことを気にしているという考えは嘘であり、彼らは見事に、見事な嘘をついたのだ。この国は、文字通りのナチスや戦犯を賛美することで覆われている。
米国務省が、他の多くのことについては沈黙を守っていたのに、このことについては発言する必要性を感じたという事実がある。
例えば、彼らはニューヨーク・タイムズ紙の記事について何も言わなかった。ウクライナのネオナチに関する2つのニューヨーク・タイムズ紙の記事が出た。いいか、これは我々が武装している国だ。何十億ドルも何百億ドルも武器を手に入れている国だ。そして、ロジャー・ウォーターズと彼の衣装のせいで夜も眠れない国務省は、なぜか、我々が資金援助している国で何が起きているのかについて、声明を発表する必要性を感じなかった。つまり、警告するのが仕事であるはずの人々が、この非道な偽善を行ったということだ。
ユダヤ人団体や監視団、国務省など、警鐘を鳴らすことを仕事としている人たちが、何が反ユダヤ主義で何がそうでないかを決定する役割を担っている。人々は、彼らが支持しない限り、何も信じない。ネオナチがいるのなら、国務省が何か言うはずだ。そうでしょう?

結論

G・グリーンウォルド:つまり、この件で明らかになったのは、今、アメリカや西側諸国の外交政策で最も重要な目的は、ウクライナでの戦争を煽ることであり、それがどんな動機であれ、そうしたいのだということです。
その結果、この戦争政策に反対する著名な人物は、中傷キャンペーンや人格暗殺の標的となる。本当にそれを思い出させる。ロジャー・ウォーターズの件もそうだった。彼らが彼をナチズムの支持者に仕立て上げようとした理由は、ショーにおける最悪の信仰解釈だ。
そして、私があなたの仕事を高く評価する理由もそこにある。
このような報道をすることは、ウクライナにおけるアメリカの戦争態勢に必ずしも反対しているわけではないが物語に反するもので、プロパガンダの一部やそこに埋め込まれた虚偽を指摘するようなことは、容易なことではない。
多くの攻撃にさらされる。
CNNやニューヨーク・タイムズなど、このようなことがめったに報道されることのない主要な報道機関へのアクセスを維持し、あなたの報道を掲載し続けていることに感謝しています。長い間、あなたの出演を望んでいました。ようやく実現できてうれしい。今後も必ずまた来てくれるだろう。そして、みんなもあなたの仕事に注目してほしい。とても参考になるし、重要で勇気のある仕事だ。

レフ・ゴリンキン:このようなことができて光栄ですし、本当にありがとうございます。あなたのおかげで私は長い間正気を保つことができました。あなたやほんの数人の他の人たちが声を上げていました。

G・グリーンウォルド: あなたの仕事ぶりにはとても感謝しています。ありがとうございました。それではまた。

まとめ

・ウクライナ・ゼレンスキー大統領による大統領選挙当面中止の発表と、米国政府のウクライナへの関与は、その行動の真の動機について深刻な懸念を引き起こしている。
・ウクライナの専制的政権・行動や、選挙中止を支援するという米国政府の関与は、その「民主主義を守るため」という論拠に疑問を投げかける。
・西側の報道によって白塗りの化粧を施され糊塗されたウクライナのナチ戦闘部隊の存在は、米国政府関与の真の意図(隠された動機)の存在の可能性を示唆している。

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